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木造住宅の耐震性能。2016年熊本地震の被害調査速報会より

 

こんにちは。

 

先日、日本建築学会による熊本地震の被害調査速報会が開催されました。

 

木造住宅に関する大きな耐震基準の改定は

1981年(昭和56年)と、2000年でした。

昭和56年以降の建物は新耐震基準ということになります。

 

よく、中古物件などを購入する際、旧耐震?新耐震?という言葉が出るのは、

この年の改正で耐震性能が大きく変わったからです。

 

 

 

 

さて、熊本地震の今回の調査対象エリアには、

そんな昭和56年の新耐震基準よりさらに厳しくなった2000年以降に建てられた

木造住宅が400~500棟あったと言われています。

 

 

当初、その2000年以降の木造住宅だけでも、全壊51棟と報道されていましたが、

その後の精査で全壊物件は最大17棟倒壊物件9棟と、今回の速報会では報告されました。

しかし、それらの建物の原因を追究していくと(現段階の調査となりますが)

これらの被害に見舞われた建物にはなんらかの設計上の配慮不足、施工ミスが見つかった。

と、報告されています。

 

金物が基準を満たしていなかったり・・・

開口部が大きく取られ、壁のバランスが悪かったり・・・

筋交いの圧縮と引っ張りのバランスがとれていなかったり・・・

が主な原因だそうです。

 

 

 

 

今回のこの報告から、皆さんは何を思われますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「建築基準法」は、このように始まります。

 

 

 

 

第一条

この法律は、建物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準を定めて、

国民の生命、健康及び財産の保護を図り、

もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

 

 

 

 

 

 

ここに明記されるとおり、基準法で定められているのは

確かに最低限の基準ではあるので、

基準を満たしているだけではギリギリの耐震基準ということになります。

 

しかし、もっと大事なことはそこではなく、

「人の命と財産を守ること」が、私たち設計士・大工の使命だと言う事です。

 

 

 

 

まだまだ未熟な見習いの私ですが、今回の地震に関しての報告はとても悲しいものでした。

 

九州の皆様に、一刻も早く安心して過ごせる環境が整いますように。

 

 

 

追記・・・

 

 

リトルコーナー

長ほぞ差し込み栓打ち

 

L型かど金物と、長ほぞ差し込み栓打ち(写真はまだ込み栓が入っていません。四角い穴に、込み栓と呼ばれる角材を入れます)。

 

この2つは、基準法上で同じ扱いとなります。

 

 

 

 

N値

 

 

 

 

 

「木組みの家」伝統工法手刻みとは?→こちら

 

 

 

設計 藤澤