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伝統工法木組みの家

昔から伝わる「手刻み」。今、木造住宅の主流であるプレカットとの違いとは?

 

『木組みの家』は、

木の持つ性質を活かし、金物に頼らず組み立てる、昔からの伝統工法で建てる家です。

大工が木材に継手・仕口等に一箇所ずつ墨をつけ、

のこぎり、のみ、かんな等を使って手作業で仕上げていく、日本の伝統技術の結集です。

『木組みの家』シリーズ

特徴

①機械ではできない高度で強度のある継手(つぎて)

最近では、プレカットが多く用いられるようになってきましたが、

複雑すぎて機械では出来ない、

より高度で強度のある継手※を作れるのが、手刻みの最大の特徴です。

継手を組み合わせた後に「込栓(こみせん)」と呼ばれる木の栓を叩き込むことで、

継手の強度はさらに増します。

昔からの知恵と技術が結集されたこの伝統的な工法には、熟練した大工の技術が不可欠です。

 

※継手 ・・・木材と木材の接合部分。人間でいう間接部分です。

 

手刻みの継手の構造は、人で例えると柔軟性のある柔らかい体を意味します。

同じように、接合部分は力を伝え合う、大変重要な役割をしています。

大きな負荷がかかる部分ですのでその造りの違いによって家の造りは大きく変わります。

手刻みでは、金物で固めるのではなく、元に戻る力を接合部に施す為、

竹かごのように家全体で支えます。

衝撃に強く粘りのある、大変地震に強い構造が得られるのです。 

②木材の適材適所を実現

 

手作業のため、機械作業よりも期間はかかりますが、

木材の持つ癖を一本一本見極めながら適材適所に使っていきます。

そうすることにより、月日の経過と共に強度を増すしっかりとした骨組みとなります。

大工の技術と道具

◎墨付け作業

手板作成

①手板作成

手板(ていた)とは、平面図、床伏、小屋伏図など、必要な寸法や符号を墨刺しで板に書き込み、墨付けするときに用いる、板に書く建築図面のことです。建物の刻みはこの図面作成から始まります。

 

建物構造体の内容はこの手板に書き込み、刻みを進めていきます。

手刻みには大変重要な作業です。

墨付

②墨付

墨付とは、材料を加工する前に、墨つぼと墨さしを使って柱材や梁材などの構造材や、造作材などに印を付ける作業です。へら状のものを墨指(すみさし)といいます。

材料に名前を付ける

③材料に名前を付ける

通り芯に合わせ、縦番「いろはにほへと」、横番「一二三」と割り振り、そこに使う材料に名前を付けていきます。

この番号は手板で決まります。

墨つぼと墨指

④墨つぼと墨指

墨つぼは、木で出来ており、壺の部分には墨を含んだ綿が入っています。糸車に巻き取られている糸をぴんとはり、糸の先についたピン(カルコ)を材木に刺し、この状態から糸をはじくと、材木上に直線をひくことが出来るので、梁や柱など、材木の間が離れているところでも、この道具を使用することにより正確に直線をひくことができます。

◎刻み道具

ノミ

①ノミ

今日では、ノミは鉄製の刃に木製の柄がついている物を 使用しています。 大昔はノミも鉄だけでできていました。鉄だけでできた多烈弥(タガネ)と呼はれるノミは、玄翁(ゲンノウ)でたたいた時、手がしびれたろうと思います。

ノミを握る手へのなじみを良くするために、木の柄がついたのはだいぶ時代も下ってからです。

それも、現在とは違って袋型式と呼ばれる方法で柄がついていました。

 

指矩(さしがね)

②指矩(さしがね)/曲尺(かねじゃく)

指矩も曲尺も同じ道具を指します。

二つの役割があり、一つは、長さや直角を見るための道具としてで、一つは、線を引く定規として使われます。

台カンナ

③台カンナ

目につきやすいところなどの仕上げ、または材と材が合わさる部分等をカンナで仕上げます。

昔はよく、大工さんがカンナくずをだしながら、カンナをひいている婆を目にしましたが、今日では、工場からキレイに仕上がった材が現場で届くので、カンナを掛ける見る機会は少なくなってきました。

電動カンナ

④電動カンナ

電動カンナで丸太の皮を削り、水平を確認して芯を出していきます。 角材は自然と台の上で水平になっていますが、丸太はきちんと固定する必要があります。

柱穴・間柱穴・ホゾ等、角材と同じ考え方で墨付けをおこないます。

鋸(ノコギリ)

⑤鋸(ノコギリ)

ノコギリは、一般には横挽き用、縦挽き用があり、木目に平行に切断するか、直角に切断するかによって使い分けます。

電動ノコギリ

⑥電動ノコギリ

電動ノコギリは、材木をカットしたり、切込みを入れたりするのに使用します。 手刻みであっても、効率を図るために、よく使われます。

◎継手・仕口(一部抜粋)

ホゾ

①ホゾ

腰木端面につくった突起をほぞといいます。

これだけでは引抜きの力に抵抗できないため、楔(くさび)・込栓(こみせん)・鼻栓(はなせん)などで緊結します。

 

※込栓には、ナラやカシ、角や丸など色々な種類があります。

柱と横架材(土台・梁)との接合に使用する場合、柱に掛かる引抜き力に応じて、使い分けることが可能です。

 

両目違腰掛鎌継

②両目違腰掛鎌継(りょうめちがいこしかけかまつぎ)

腰掛け+両目違い+鎌材の捩れと引張りがかかったときに、下木の開きを止めるため、腰入れ目違い鎌継ぎの首の両側に、目違い.(ホゾ)を入れた継手です。

金輪継ぎ

③金輪継ぎ(かなわつぎ)

金輪継ぎは引っ張りに強く込栓を打ち込むことにより、1本の材のような強度となる、強い継手です。